キター!!「スリルミー2021」成福ペア初日備忘録
待ちに待った「スリルミー」!
前日から吐きそうなくらい緊張して眠れず💦
ごはんも食べられず、本当私何やってるんだか。
でもちょっこんの成福ペア、私の期待以上の私と彼になって帰って来てくれました。
おかえり〜💕
演じるたびに深化していくペアだから、どうせ次見た時はまた変わってるに違いないのだけれど、
だからこそ、今回初めて感じたことを忘れないために備忘録。
次に観に行った時は、また新しい気持で受け止められますように。
そんなわけで、最初からallネタバレです。
もちろん私の偏愛的解釈ですが。
まだこれからの方で、ネタバレイヤな方はスルーしてくださいね。
ピアノの音とともに暗転。
ピアノだけが浮かび上がる。
いよいよ始まる期待感に胸が躍る。
でも、落合さんのピアノは優しいな。
タッチが柔らかくて、どこか癒しを感じる。
戦慄というより、悲劇を思いスタートから切なくなる。
♫隠された真実
疲れ果てた姿で気配薄く現れた成河私。
疲れて無力な初老の男。瞳には力がない。
裁判官に当時のことを聞かれて、当時を思い出して思わず涙ぐむ成河私には、
あの時への後悔と慕情に溢れていて、すでに私も涙が出る。
この「私」は新しい!
♫僕はわかっている
暗転と共に現れた19歳の成河私はあまりにもキラッキラの萌えキャラで、
さっきの疲れたおじさん姿とのギャップが、凄すぎて唖然としてしまう。
一瞬で時を越えてしまうのは、前回以上!
対して福士彼は、相変わらずのドSちっくな俺様は変わらないけれど、
前回以上に美しくカッコイイ💕あれは所作が綺麗だからなんだろうな。特に手指の動き!
♫優しい炎
多分2人の一番穏やかで幸せだった瞬間。
成河私にとってはようやく訪れた彼との時間。
彼とスリルを味わうことに、彼との一体感を感じているのかもしれない。
彼の胸に沈めるその顔に安堵が見える。←恍惚ではない。
福士の炎は青く冷たい感じがあるけど、身も心も自分の胸に預ける私に
例えようのなくかわいいと思っているような気がした。エリザのトートみたい笑
これ以上の支配欲を満たす瞬間があるだろうか?
それを愛と言うには疑問だけど、多分彼にとっては私に愛を感じる瞬間なんだろうな。
♫契約書
自分の世界観をしっかり持った2人が、
相手を自分の世界に入れて支配しようとする
パワーゲーム感。今回はそれが最初から強い。
でもなんというか、ギラギラ感がなくてスマートに感じるのは、成河私が冷静だからなのかな。
でもどちらも引かない頭脳戦な心理ゲーム。
青い火花がバチバチと飛び散る感じでドキドキ💓
特に福士彼の挑発は、冷静を保ちながらもギラギラ感が堪らんですがな。
多分、成河私の方が天才だってことも、家庭環境が圧倒的な差があることもわかっていて、
本当なら成河私は目の上のタンコブでしかないのだけど、
成河私の自分への想いをわかっているから、自分より上に来ないこともわかっている。
トラウマの成河私を組み伏せ支配することで、彼の支配欲と力への憧れを満たしている。
一番欲してる欲望を満たす唯一の存在として、彼は私を愛していると言うのかな。
成河私とてそれは同じことで、彼が喉から手が出るほど欲しい「モノ」が自分にあることは自覚している。でも成河私にとっては、それはなんの価値もない。
美しさ、社交性、自信を持つ彼の存在そのものが理想で、憧れ。スター。
要するに無い物ねだりの2人が、お互いにないものを求め合っているペアなんだよね。
お互いのがお互いの欲望(需要)と利点(供給)を天秤にかけて駆け引きするあたりが
栗山さんが投げかけた「資本主義の病」なのかな?
自分自身を餌にして狩りをするような激しい心理戦、
こんなことしてたらマズイこと、どちらもわかっていながらも、
お互いの欲求を満たすために、現実から目を背けてて離れられない
微妙なバランスで成り立つ2人。ー依存。
♫スリルミー
♫計画
それが崩れたのは、♫スリルミーの後、殺人を希望した時。
多分、その前に彼は家庭内で何かあったに違いない。
虐げられたのか、傷ついたのか。普通の心理状態だないところに成河私の挑発。
いつもの成河私なら彼の様子を察知できたかもしれない。
でも成河私も我慢の限界に来ていたという最悪なタイミング。
いつものようにcoolに私を突き放すはずが、理論的に強く出た私に屈することになり、
福士彼の行き場のない不満は、「一線を越える」ことに転化する。
成河私に抱かれながら(抱きながら?)屈辱に耐えながら
成河私を組み伏す事だけを考えていたのだろう。
ことが終わったあと「殺人計画」を言う福士彼は、「どうだ」と言わんばかりのドヤ顔でほくそ笑む。
「誰を殺すっていうのさ」
「俺が一番ムカつくやつ」
「僕?」
「おまえ・・・」
「きゅうぅん」←なにそのあざとかわいい小動物化!
「・・・以外」
私たちだけでなく、そう言いながら福士彼も心の中でめっちゃ萌えたにちがいない。←絶対ww
邪魔者の「弟」を殺すことを突きつけ、私と駆け引きをする福士彼はまるで獲物を狙う猛獣のようだ。
結果、「弟」を排除することはできなくても、「一線を越えた犯罪」に足を踏み入れる興奮と
再び成河私を掌握した快感に身を震わせる。
福士彼のターニングポイントはこの瞬間。
我を忘れ興奮と快感に恍惚する福士彼の目はイってしまっていて怖い。
狂気と言うのは、こういう風にに生まれるのだな。
♫戻れない道
前回は19歳と53歳を行ったり来たりしていた気がするけれど、
今回は19歳の私だけだったような気がする。
狂気に支配される彼を「弟を殺す」ことは止められたが、
彼との駆け引きに負けて「誘拐殺人」することになってしまった私。
この時の成河私はまだ理性が勝っていて、
でも、多分、この時、「彼」と「自分の人生」を天秤にかけて「彼」を選んだんだよな。
「♫戻りたいと思っていても、戻れなくて・・・あまりに遠くまできてしまった・・・」
成河私は、こうなってしまったことを後悔しつつも、
彼に従うことを受け入れている。
「♫目指していたのは理想の場所〜」
成河私の第1のターニングポイント。
福士彼は、これが成功したらそれで満足しないで、次はまた「弟」を殺そうとするだろう。
彼の失うことなく彼の狂気を止めるために、どうしたらいいか。
この時既に、「この殺人」の後のことを成河私は考えていたような気がする。
そして、「決意」する。
歌い終わった成河私の瞳にはそんな強い意志が宿ったように見えた。
ともかく、ここから2人ががらりと変わる。
♫スポーツカー
最高にいい顔の福士彼。
謎の帽子にマフラーで口を隠しているので、彼の眼光だけが強調される。
そもそもそんな格好でウロウロしていたら、怪しすぎて誰も近づかないと思うが、
子どもを誘うその手の動きが、妙にリアルで目で追ってしまう。
舞台の奥で、呆然とそれを見ている成河私も、視界の端で気になってしまう。
♫超人たち
確か前回は、最初から恐怖に震わせながら逃げてきた記憶があるんだけど、
呆然と帰ってきたような成河私。
興奮と快感に頬を紅潮させている福士彼と対象的だった。
福士彼は達成感に輝いている最高の笑顔。
でも私にはその福士彼は背景にしか見えず、
「本当に引き返せない」ことになった成河私の緊張した面持ちに目が釘付けになる。
そのあと、だんだん恐怖にパニックになるけれど、なんとなく違和感がある。
怖さよりも先に出ていたあの硬い表情。あの表情はなんだったのかと、後から考えると、
私にとっては、「彼を出し抜く」キモの瞬間だったからなのかな?と思う。
だとすれば、その後の違和感残るほどのパニックは、「演技」ってことなのかな?
♫脅迫状
♫僕の眼鏡/おとなしくしろ
もうここ、2人の歌声のケミが大好きすぎる。
そして2人のやり取りは、セリフも歌も区別することなく、同じ「芝居」なんだと改めて思う。
メガネを探す私が、あまりに嘘くさくて、結末を知っているだけにフフンとなる。
でも、そのことでチラリと彼が自分を裏切りそうなことに気がつくくせに、
信じられなくてスルーする成河私。
♫あの夜のこと
♫戻れない道(リプライズ)
警察の取り調べまでは成河私の想定内。
だけど、残酷なまでにきっぱりと自分を棄てる福士彼の裏切りは想定外だった。
いや、そうかもしれないと思っていたけど、
いざそれを突きつけられた時の自分のダメージの大きさが想定外だったのかな。
声が潰れそうなくらい高音で「待てよ!」と叫ぶ私は、本気で動揺していた。
ここが成河私の第2のターニングポイント。
彼を出し抜く「計画」の動機が多分、ここで変わったんだよな。
「♫ここはどこだ。道に迷って。たどり着けば、禁じられた森だと気づいたときには・・・」
の声色のニュアンスが変わっていて、ストンと胸に落ちてきた。
そしてここから成河私の福士彼を見る目が変わる。
♫俺と組んで
成河私の裏切りによって同じく逮捕され留置所に入れられた福士彼。
怒りをぶつける彼に冷たい視線と拒絶。
自分を裏切った福士彼に、本気の怒りと復讐心を感じる。
今まで下手に出て、彼を立てていた成河私が、
福士彼を完全に打ちのめして組み伏す決意みたいなのを感じる。
懇願するように私を押し倒してキスをする福士彼と、
一瞬恍惚の笑みを浮かべながらも、冷たく自分を抱く福士彼の手を振りほどくところが
福士彼と逆転してSっぽい。本当はSなの?
「♫なんでもしてあげるよ」
にっこり笑う成河私がめっちゃ怖い。
獲物を罠に誘き寄せて捕まえたと確信した瞬間の狂気が見える。
♫死にたくない
福士彼の死にたくない度は今回もすごい。(とはいえ前回よりはまだ抑えている感じ?)
誰も聞いていないことを確認してから虚勢の鎧を外し、恐怖におののき悶える福士彼。
ここに来て、ようやく自分の愚かさと取り返しのつかない過ちを理解する。
それを壁越しでじっと聞いている成河私の気持ちも波のように揺れていて、
福士彼の死にたくないよりも気になってしまった。←ごめん。
前を見据えて、彼の泣き声に復讐心が満たされた快感と、
自分が憧れていた「強くてかっこいい彼」が崩れていくことへのいたたまれなさに顔を背ける。
それとも覚悟はしていても、絞首刑の判決への恐怖もあったのかもしれない。
♫九十九年
裁判で死刑判決が回避された瞬間が、成河私が「一線を越えた」瞬間。
社会も、彼も欺いて「完全犯罪」を証明した瞬間なんだよなぁ。
護送車に揺られる成河私の乾いた笑みがどの笑みよりも怖かった。
成河私はその快楽に酔っていたのか。
それとも彼を完全に押さえつけて、彼が私にしたように完全掌握したかったのか。
勝ち誇った「勝利宣言」は、自ら「完全犯罪」を崩し、彼の心を失った。
♫スリルミー(フィナーレ)
私に残ったのは、1枚の高校生の頃の彼の写真だけ。
その写真のままに私の前に現れる福士彼の瑞々しい優しい微笑みと
「レイ」と呼ぶ声の柔らかさに、心をガツンとやられた。
「あなたは自由です」と告げられ、
縄が解かれ、結ばれていた掌が開いた時、写真の中の福士彼が、幻のように現れ儚く消える。
「共犯者」という絆で結ばれていた2人が、自由を得ることで、その絆も消え、
呆然と振り返り、「スリルミー!」と叫ぶ成河私に最初にみせた後悔と慕情を感じた。