This is it

舞台大好き。映画も大好き。私の見たもの日記のようなものです。

フランケンシュタイン2015〜とりあえずレポ1

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あんにょんです。
年の瀬です。
相変わらず、バタバタしておりまして、
2016年も間違いなくバタバタする模様ですが、
その中でも、今年もたくさん舞台を見に行くことができました。
もちろん韓国にもね。

年忘れにならないうちに、この間行ってきた舞台をアップしておかないとね。
来年また観るためのこれは記録ですね。
お付き合いいただける方はよろしこです。

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12月最初の週にフランケン集中ツアーを敢行してきました(笑)
もちろん他の作品も見てきましたが、それは後で。

忠武アートホール。
大中小のホールのある大きな劇場では、話題の舞台がいくつもかかっています。
その一番大きなホールで公開中の「フランケンシュタイン」。
1階から大きなポスターやがたくさんかかっています。

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2回には、怪物を造った機械のレプリカが飾られて、
たくさんの人が記念撮影をしていました。

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ふふふ、ウンテさんのアンリも
大きく柱に飾られています。


さて、今回観てきたのは、この4回。
ウンテさんの回を取れるだけ取って、
ウンテさんと組み合わせられなかったコニョンビクターと
チサンさんを組み合わせた回をチョイス。

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今回、初参加っちゅうか、デビューの新人、ウヒョクくんは、
公開1週間のこの期間では、演技がまだ青そうだったので、
今回は見送り。

でも、脇のキャストもこの4回で全て組違いで観れてしまったので、
結果的に彼だけ観なかった(苦笑)
巷ではかなりの好評価をもらっているようですが、
まだ、ウンテさんとチサンくんとは比べられないよね。

次回、次回。

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12月2日(水)マチネ

ビクター/ジャック:チョン・ドンソク
 アンリ/怪物:パク・ウンテ

心待ちしていたファーストコンタクトは、
どうしても前回の面影を追ってしまって、
違う部分に違和感を感じている自分がいました。

特に、ドンソクくんのビクターが、
ちょっと無理しているように思えちゃったんですよね。
すごく声も出ているし、上手いんだけど・・・。

どこかでゴンミョンビクターの面影を探している自分がいて、
粗探しをしているような・・・。
かなり厳しい視線で観ていた気がします。
ミアネ。

私の中の「フランケンシュタイン」のイメージは、
ゴンミョンさん×ウンテさんで固められていたんだなぁと、
痛感してしまいました。

ウンテさんはというと、
やっぱり初演とは少しずつ変えているように思えました。
再演って言うのは、難しいんだな。
前回がいくら完璧でも、同じじゃいけないだよね。

ことに、ドンソクビクターは、
アンリとの年齢がひっくり返ってしまうので、
アンリのスタンスの構築が難しかったんじゃないだろうか。
それはチサンくんも同じだと思うけど、

ちょうど観た舞台は、ドンソクビクターとの初舞台。
彼との間合いも牽制しながら、
自分の役も手応えを感じながらと言う感じに見えました。

練習していても、やっぱり本番は違うものね。

青い未熟さと、
瑞々しい緊張感が漂うのは、
始まったばかりの舞台ならではの香りです。

これはこれで楽しいっ!



さてさて、ドンソク王子のビクター。
1幕は
初演の誰よりも狂気のビクター。
誰も受け入れないような冷たくて、残酷な光を帯びた瞳。
それでいて、夢と自信に満ちあふれ、
強引で、
誰も抗えないようなカリスマを持つ。

私は実は、ドンソク王子はドンソク王子はお初なんですが、
もっと癖のある方かと思ったら、
意外と素直な演技をされるのね。

少々、大げさな所もあって、
それが少し浮いているような気がしたけれど、
これは回数を重ねるごとに調節していくところなんだろうな。

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ドンソク王子とウンテさんではないので、ちいさく(笑)

酒場でのシーン、初演のビクターたちは、
アンリが踊ろうと言うのをいやだとギリギリの所まで渋っていたけれど、
ドンソクビクター、踊りも歌もノリノリ。
アンリより先に踊りだす始末で、
私、思わず吹いてしまいました。



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んで2幕のジャック。
三つ編みがめっちゃ可愛かったwww

あまりにぶっ飛んだジャックで、最初びっくりでした。
でも、背の高さとスタイルの良さ。
加えてルックスもきらりと光って、
どんなにひどいことをしても、かっこ良く見えちゃいます(笑)

甲高い声で、クレイジーな演技なのにね。
小賢しくて卑怯な厭らしい男になりきれないというか・・・。
イイ男じゃだめだと言われても・・・ね。

で、ウンテアンリです。

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前作のアンリ
どこか中性的で儚さを感じる。

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今回のアンリ。

ウヒョクくんと区別するためなのかな?
それともドンソクくんに合わせて?
前作よりもやや大人チックなアンリでした。

か弱さ、線の細さがなくなって、
凛とした芯の強い男のイメージでした。キュン
決してビクターがいなくても、一人で立っていられる人なんだよね。
でも、彼を助けたいと心から願っている。
そんな男でした。

前回のビクターラブな心が見え隠れするのも萌えるんですけど、
今回のアンリの方が好きだなぁ。

「ちんぐや」
その言葉を使うのにとても合う2人。
上下関係と言うより同朋って感じで私は好きだな。

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そして2幕からの怪物。

まさに、人間ではありませんでした。
なんか、前回よりも冷たさに拍車がかかっていないか?


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狂気に吞まれていくビクターと、
ぞっとするほど冷酷な怪物の対決は、
ぐぐっと、胸に迫ります。

この2人の間に、もう「アンリ」と言う人物はいないんだなぁ・・・。

そんな気がしました。
アンリは、不幸にも怪物の材料となっただけで、
2幕は怪物とビクターの対決なんだ・・・。
それがちょっと残念な気がしました。

それは後で、思い違いだった・・・と思うんですけど、
この時はそう思ったのでした。

アンコールは2人で日本式の礼をして。
初々しさと、まだお互いに伺い合っている・・・。
ああ、これが2人の今のスタンスなんだなぁ・・・と思ったのでした。

全て、これからなんだね。



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12月4日(金)ソワレ

ビクター/ジャック:ユ・ジュンサン
  アンリ/怪物:パク・ウンテ


なんと偶然、100回目の記念公演でした。

特に何があったわけでもありませんけど、
全員、初回メンバーで、
心なしか舞台が熱い。
舞台のテンションが上がっているように感じるのは、
やっぱり100回目っていうことなのか、
お互い交って知ったる仲間たちだからか?

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ジュンサンビクターとはやっぱりやりやすそうなウンテアンリ。
ジュンサンさんは、雰囲気を作るのが上手いし、
何より彼の舞台は観ていて楽しい

シリアスなこの舞台だけど、遊べてしまう所がすごい。
真面目に舞台を見たい人にとっては、
ちょっとイラっとするかもしれないけれどね。

でも彼が舞台に立つと舞台の空気が変わるのよね。
あれは、彼が韓国でとても人気がある理由なんだろうなぁ。

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2幕のジョンは、私の知っているジョン(笑)
そうそう、このスケベ親父風の嫌みな男(爆)

彼の舞台を楽しむ遊びがふんだんに盛り込まれて、
ジョンのショーだわね。

ウンテさんは、最初に観た時の固さはなく、
のびのびとやっている感じで、私も安心して観れました。

考えたら、前回のドンソク王子との回は、
ジュリア/カトリーヌ役のイジス嬢ともお初だし、
彼が引っ張っていかなくちゃいけなかったんだものね、
少々固くても仕方がなかったのかも。

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この回のカトリーヌのアン・ジハ嬢が好き。
怪物とのやり取りはじーんときます。

初め、触れようとして怯える怪物に、
母のように優しく、「大丈夫、大丈夫よ。」となだめるところが好き。
こんなカトリーヌだから、怪物は彼女に「母」と言うものを夢見るのよね。

そして、怪物に毒を盛れと脅かされた時の彼女が、
イ・ジス嬢はすぐクスリ瓶を握ったのに対し、
ギリギリまでそれを握らず、迷いに迷っていた彼女が好きです。

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そして握った後の潔いくらいの
全てを振り切った後の行為も。

その彼女に裏切られた怪物の絶望が際立つのよね。

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「私は怪物」

カトリーヌに裏切られ、
ジョンたちには役立たずだと捨て置かれて、
ひとり横たわり歌う怪物が、
カトリーヌに教わった「あんにょん」の仕草を、
ぼんやりと繰り返すしぐさがあって、それがすごく泣ける・・・(涙)

ウンテ怪物は、初演のときここで号泣したけれど、
今回は全く泣きません。
だけど、こちらのほうが寂しくて悲しい。
悲しすぎて、触れることができないほどの孤独。

こんな表現もあるのかと感嘆したのでした。

前回のドンソクビクターとウンテアンリと、
ジュンサンビクターとウンテアンリで、
決定的に違うのは、
ジュンサンビクターは最後の最後まで、
怪物を通してアンリを観ていたと言うことです。

2幕で怪物と再会した彼が、
「アンリ・・・」と呼ぶと、
「その名前で呼ぶな!アンリ・・・その名前は俺の名前ではない。
俺には名前がない。それはお前が俺に名前を付けてくれなかったからだ。」

それ以来、ドンソクビクターは一切アンリの名前を口に出さないのだけれど、
ジュンサンビクターは、
怪物と退治するたびに呟くんだよね・・・。
そしてラスト、怪物の復讐が完了したとき、
息絶えた怪物を抱きしめ「アンリ・・・アンリ・・・起きろ。」って言うんですよね。
そこが何とも切なくて、

「身勝手な人間の悲惨な最期」がドンソクビクターなら、
「身勝手な人間の寂しい最期」がジュンサンビクターなんだよね。

私はラストはジュンサンビクターの方がいいな・・・。
アンリとビクターの絆が悲しくて切ない。

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だからアンコール、2人が対峙して抱き合って笑うことが、
とても幸せに感じるのです。



ちょっと長くなったので、後半は次に。