念願の「夏の夜の夢」!DVDだけど
あんにょんです。
朝の日差しからじんわり汗の出る初夏の日曜。
休みなのに朝からおでかけ。
本当は観たい舞台が3つくらいあったのを蹴り飛ばして、
まだオープン前のこちらにやってきました。
(写真は帰りに撮ったので人がいっぱいですが、朝は人っ子一人いませんww)
「パーマ屋スミレ」観たかったけどね。
今日はそれでもないんですよ。
当日券に並ぶ行列を尻目にエレベーターで5Fへ。
図書閲覧室です。
実はこちらには、新国立劇場で公演された舞台なんかの記録が閲覧できるのです。
全部、無料。←さすが国立、太っ腹!
カウンターで名前を書くと、ヘッドホンをもらってビデオブースに。
全部で4台ですから、休日は競争。
明るい照明の舞台なら、どこでも大丈夫でしょうが、
夜が舞台の私の見る作品だと、
一番奥のひときわ暗いブースでないと光が反射して見にくいったら!
最初に案内してくれたおばちゃん、
「明るい方が見易いですよ」と一番明るいブースに案内してくれたけど、
本当に辛かった!
途中で我慢できずに元の暗いブースに引っ越しました。
どうやっても自分が反射して写ってしまう(涙)
んで、見てきたのはこちら。
2009年 ジョンケアード版
「夏の夜の夢」
ここ半年、ずっと見たいと願っていた作品です。
観たいのに、なかなかここまで来れなかった。
ようやく夢が叶いました。
まだうら若きチョウスンハ→成河くんが妖精パックででておいででした。
衣装などは現代風だけど、
セリフはそのままシェイクスピア。
回りくどくて間接的なセリフ、仰々しい言い回し。
だけど韻を踏んでリズミカルな台詞回しは私の耳には心地よい。
騒動の中心の4人の男女の恋の駆け引き。
時折現代的で、でもやっぱりシェイクスピアで(笑)
私、この作品は漫画「ガラスの仮面」で知りまして、
かなり好きな場面でもあったので、
自分でも笑っちゃうほど劇中のセリフが頭にインプットされておりました。
(漫画では、かなりヘレンがすごい設定でしたが)
4人の役者さんはみなさん初見でしたが、ヘレン役の小山さんが好きだな。
すごくうまい。
いきなりこのシーンですいません。
オーベロン(シーシアス公爵の2役)の村井さんと
村井さんダンディー❤そして、威厳のあるオーベロンが素敵。
めっちゃ踊る妖精たちの真ん中で、
踊る真似しながら(笑)ウロウロいているのがかわいい。
いや、声がいいよなぁ。低くていい声。
麻実さんは、すいません勉強不足でお初でした。
すんごく有名な女優さんですよね。
きつめのティータニアがすごくあっています。
オーベロンの企てにまんまとはまってロバを溺愛してしまう様が
あまりにメロメロすぎて笑ってしまう。
なによりも、このロバ頭が最高。
公爵の結婚祝いに演劇をする村の職人たち。
真ん中のボトムが、パックのいたずらでロバ頭にされたんですね。
ロバ頭、ちゃんとセリフに合わせて口が動くんです。
それがめっちゃかわいくて、ティータニアでなくても萌えてしまうww
この演劇集団(笑)がまたおかしくて、
ブースの中でひとり笑い転げておりました。←うるさかったかな?(反省)
浮気草を取りに命ずるオーベロンとパック。
そんはパックは本当にかわいくて❤
童顔というか、本当にまだ若いんだけど、少年のようなパック。
オーベロンとのコンビがいいんだなぁ。
「ダッタン人よりも早く!」
駆け回ったり飛び跳ねたり、本当に忙しいパック。
舞台の袖でちょこんとことの次第を眺めていたかと思ったら、
ひゅんと目の前にやってきてニヤッと笑って。
頭のゴーグルがまた萌えポイントなんだ(笑)
こんがらがった恋の糸を直そうと、4人を集める下りは彼の見せ場中の見せ場。
ああ、本当に楽しそうに飛び回るパック。
茶目っ気たっぷりに人を操り、
いたずらをする小僧のようにキラキラと瞳を輝かせてる。
ヘレナを操る時のカーリングの仕草
(ヘレナをストーンに見立ててステックや箒で動かす)や、
ハーミアを操る時はゲートボール?
ああ、本当に本当になんて可愛いんだぁ!
でも、夜明けの気配を感じた時のパックの怯え方。
涙を浮かべながらオーベロンにすがる彼に、
おもしろおかしく生きている妖精の裏の儚さを見たような気がしました。
思いっきりぐっと引き寄せておいて、
ちらりとみせる切なさが、本当ににくいわ。
それを
「夜明けに恐れることはない」と、
後ろから抱きしめるオーベロンがなんとも頼もしくて。
なんだかとてもキュンとしてしまいました。
そして無事、元の鞘に戻り、
公爵と女王と一緒に結婚式をする恋人たち。
本来はここで物語も終わりなのだと思っていたんですが、
なぜかおバカたちの演劇まで開かれてしまう(爆)
いや~笑わせていただきました。
本当になんていうか、演技達者な人たちの「素人演劇」。
絶妙な間の狂わせ方が本当におかしい。
蛇足だと思いながらも、引き込まれてしまいました。
でも、昼間のシーンはパックが出てこなくて寂しい(苦笑)
パック以外の妖精はみんな1人2役なんですよね。
舞台が終わるとまた夜がきて、パックが舞台を回転させる。
昼も夜もどんちゃん騒ぎの賑やかな世界。
そしてまた舞台が反転して、むき出しのセットの裏と、
役を脱いで役者の顔で出てくる一同。
そしてパックの羽とゴーグルを外し、
でも全くパックなそんはくんがラストの口上。
我ら役者は影法師
皆様がたのお目がもしお気に召さずば、
この舞台もただ夏の夜の夢を見たと思ってお許しを。
拙い芝居でありますが、
皆様が大目に見て、おとがめなくば身の励み。
私、パックは正直者。
幸いにして皆様のお叱りなくば、
私も励みになりますゆえ、
皆様も見ていてやってくださいまし。
その証に拍手でもいただければ
(客席に向かって拍手を求める)
このパック、正直者ですから、
嘘はつきません!
↑
たぶんこんなだった気がする。
戯曲の口上とは少し違ってた気がするんだ。
物語も舞台も儚く夢の如し。
人生もしかり。
それなら、楽しく自由にいたしましょう。
そんはくんの口上がそんな風に言っているように聞こえました。
うしろでそれを見守る役者たち。
村井さんの目がとても優しくてグッときたなぁ。
本当にかっこいいんだ。
見栄えとかそういうのじゃなくて、
体の中からにじみ出るかっこよさ。
本当に素敵でした。
劇中、パックがちゃんと任務を果たした時、
思わずちゅーしちゃった村井さん。
そんはくんがびっくりして、唇拭ってた(爆)
いつもはする方なのにね(笑)
それとも奪われて開眼したのかな?(爆)
とにか楽しくて、おかしくて、いい舞台でした。
画面で見てこんなにいいんだから、生は本当に凄かったに違いない。
ああ、生で見たかったなぁ。
でも、
そんはくんは今でもきっとこれ、できると思う。
そっと神様にお願いしてみるわ。