This is it

舞台大好き。映画も大好き。私の見たもの日記のようなものです。

「ジギル&ハイド」2015ソウル公演に魅せられて〜1

イメージ 1

あんにょんです。
「ジギル&ハイド」ソウル公演が終わってしまいました。
ハマった舞台は数あれど、
同じ作品のために2度も海を渡ったのは初めてでした。
それだけ思い入れの強かった「ジギル&ハイド」。

自分の感じたことの記録として、
残しておこうと思って書きました。
見たことのない人の方が多い世界ですから、
見てない人でも分かるような記事にしてみました。
(そのぶん、くどいと言う噂も(笑))

公園も後地方公演を残すのみ。
なんの役にも立たないけれど、ネタバレで迷惑になることもないし、
ま、あんまり見る人もいないので、完全なる自己満足の世界です。

ご興味のある方は、おつきあいくださいませ。

さて。
今回の10周年記念公演の「ジギル&ハイド」は、4人のジギルでした。
でも、それを全てそしゃくできない私は、2人のジギルの絞っての鑑賞でした。

まずはこの方。

イメージ 2

「ジギル&ハイド」=チョ・スンウと言えるほど、
絶大な人気を誇るチョ・スンウssiのチョジギル。
全く萌えないのに、私を泣かせる唯一の人。

イメージ 3

今回初参加の10番目のジギルこと、パク・ウンテssi。
ミュージカル界において、私が最も愛する俳優さんで、
そして、彼の演じるウンジギルは私が一番愛したジギルであります。


この2人の公演を11月と2月に交互に見て思ったのは、
同じ作品でも、主役が違うだけで全く別の作品になりうるのだということ。
多分、4人のジギルそれぞれに、彼らだけの物語が存在するのでしょう。

そんなわけで、私の感じた2人の演技と解釈をシーンごとに
一緒に書いて行こうと思います。



1幕
 
ジギルの友人ジョン・アターソンの回想で1幕が始まる。
英国ロンドンの若い医師ヘンリー・ジギルは、統合失調症を患う父のために、
人間の本性を分割することができる薬を作ろうとする。



#Lost in the darkness(闇の中で)/ジギル
 
寝たきりの父の看病をするジギル。

チョジギルは大人だ。
病身で意識のない父の体を拭きながら、
「きっと治して見せるから」と、慈悲深い声で語りかけ、
父を養護する頼りがいのある息子に見える。
 
しかしウンジギルには、看病しながらも、どこか父への依存を感じる。
父への語りかけは甘える子供のようで、
父は、今も昔も彼にとって偉大で、彼の心の支えであるように見える。
 
最初から父に対する立場が違うふたり。
それは彼らが設定した年齢差によるものでもあるのかな?
大人で非の打ち所のないチョジギルに対して、ウンジギルは若くてまだやんちゃな青年。



イメージ 4
画像は2人ではないものもあります。
今回、映像も画像もほとんどなくて、他の年の公演のものもあったりしますが、
あくまでもイメージと言うことで(汗)

 
#I need to know(知りたい)/ジギル
#Facade(偽りの仮面)/アンサンブル
 
チョジギルは、社会の不条理に泣く人々にの憂い、
だから自分の研究が必要だと心を決める。
ウンジギルは、理不尽な世の中への怒り。
それに立ち向かうために研究は必要だと信じる。
 
ここはキレのあるウンジギルの演技がとても好き。
#I need to knowはとてもかっこいい曲で、彼のクリアでピンと張った高音で歌うと、
まっすぐな心がダイレクトに響いてドキドキしてしまいます。


イメージ 5
審議委員会の面々

 
ジギルは聖ジュード病院の審議委員会に自分の薬をテストすることができるように、
被験者を要求するが、反人倫的な実験という理由で却下される。
 
ここでもチョジギルは、良くも悪くも大人だ。
始めは柔和にあくまでも理性で説得し、無下にされても笑みを浮かべる。
そして棄却されると、すがりつくように哀願する。
それに比べてウンジギルは、とにかく青く生意気だ。
自分の理想をストレートにぶつけ、彼らの言葉に真っ向から反論し、
無下に却下されれば、掴みかかって訴える。  
 
何度見ても、審議委員たちの当たりがチョジギルよりもウンジギルの方が強い気がするのは、
ウンジギルが、あまりにストレートで生意気だからかな?
進行役のストライドはジギルの恋敵で、最初から彼につっかかるんですが、
それをチョジギルは懐柔的にその場を収めようとするけど、
ウンジギルはからかうようにあしらって神経を逆なでるんですね。
それで結局、会議でけちょんけちょんにされてしまうんですが。
 
#Pursue the Truth-真実を追えば /ジギル、アターソン


結局棄却されたジギルは「偽善者め」と吐き捨て、
失意のまま自分の婚約パーティーに出席する。しかし、婚約者エマの言葉に勇気をもらう。


 
#Emma's Reasons-エマの言い分 /エマ
#Take Me as I Am-ありのままの /ジキル&エマ
 
エマは、気高くて、賢く、そして優しい。
最初に見たチョ・ウンジョン嬢のエマを見たとき、エマは聖母のように思いました。
今回のイ・ジヘ嬢のエマは、ジギルへの愛をストレートに表現する方で、可愛いエマ。


ジギルへの愛は絶対で、何があっても彼を信じるエマ。
「なんであんなヤツに・・・」と詰め寄るストライドをぴしゃりと拒否して、
ジギルの姿を見つけると、彼には残酷なほど見向きもしない。盲目的で一途な愛。
そんなエマに対して、ジギルはと言うと、ここが2人の一番解釈の違うところ。
 
チョジギルは、エマへの愛の比重は軽いんです。
2人は愛し合っているのかもしれないけれど、彼にとって愛よりも研究の方が上なんですね。
研究のことで正直頭が一杯なジギルは、目の前のエマにあまりに意識がいっていない様子で、
エマが示す愛情に、ただただ受けるだけなので、彼女の一方的な愛にかんじてしまうの。
自分の歩く棘の道に、彼女を共に歩かせてしまうことに躊躇しながらも、
どこか、他のことに気持ちが言っているように見えるのは、
彼女が彼と対等な立場にないからなのかもしれません。

イメージ 6
 
ウンテさんは本当に一途な愛を表現するのがうまい。
これは、彼の人間性も大きく関係していると思うけど、
他のジギルがルーシーとの悲恋に重きを置いているのに対し、かれはエマへの愛が強いんです。
そして私はその解釈がとても好き。


実験のことで頭がいっぱいだったのに、
彼女と目を合わせた瞬間、彼の瞳には彼女しか見えていないんだよね。
一途なエマと一途なウンジギル。
エマの手を取った瞬間、舞台がバラ色になって♡が飛び交っちゃいます。


首を傾げ、彼女を求めるように手を伸ばし、彼女を引き寄せると、
そのままキス・・・を本当に直前で寸止め。
ああん、それはせつないじゃありませんかぁ。


彼女にも自分の棘の道をあるかせてしまいそうで、躊躇しているジギルの手を取り、
自分を抱くように自ら彼の胸に身体を預けるエマ。
彼女をバックハグする蕩けるようなジギルの表情ったら!
そして、感謝するように彼女と向き合い、甘〜くて蕩けちゃいそうなおでこへのキス。
もう本当にキュンキュンなんです。


 
「独身のうちに楽しもう」と、ジギルをつれだし、バーへつれて行くアターソンと仲間たち。
そこは、欲望の坩堝。
崇高な・・・と言われている名士たちも、そこで欲望の限りをつくしている。


審議委員会の名士の中に、オカマちゃんがいるんですが、
彼は、暗闇で男を買っていて、ちゃんと(?)裏の顔を描いているんですよね。
アンサンブルにまで、芸が細かい。


そんな場所だから、眉を顰めるジギル。
そこでショーガールのルーシーと出会う。



イメージ 7

bring On The Man-連れてきて / ルーシー
 
 ルーシーのショーを見て、囃し立てる男たち。


チョジギルは、最初は気もなく、研究のことが気になって舞台を見ようとしないジギル。
その様子を見たルーシーは、「お願い、抱いてください〜♫」と彼に向かって歌うんですね。
彼は、舞台の上から挑発されて、いきなり注目の的になりどきんとする。


友達の冷やかしに「そんなんじゃない。」とムキになるけど、
まんざらでもなさそうな笑顔が可愛い。


ここ、毎回演技が違うチョジギルですが、
この日はその後ジッと彼女のショーに見入っていました。
彼女とのやり取りは、大人の男と女の駆け引きのようで、キュン。


舞台の後、2人でグラスを交わし、
《客》として誘うルーシーに、チョジギルはキスも寸止めで交わすと、
「友達としてなら、いつでも助けになるよ。」と自分の名刺を彼女に渡して颯爽と去って行く。
彼女とのやり取りを楽しんでいるチョジギル。ルーシーよりも1枚も2枚も上手です。
ああ。 なんて大人かっこいいジギルでしょう!
ルーシーが恋に堕ちてしまうのもよくわかるわん。
 
解釈が面白いのはウンジギル。
11月に見た時と2月では、その様子がずいぶん変わっていてびっくりです。
アターソンに連れてこられて、半ば強引に席に座らされたジギル。
舞台に立ったルーシーと一瞬目が合うんですよね。一目惚れには理由はいらない。
その瞬間、2人の間で時間が止まり惹かれ合うのがわかりました。
 
ルーシーの舞台を目で追うジギル。
時折、友達に冷やかされて、「そんなんじゃないよ」と軽くあしらうけど、目が離せない。
だから彼女が舞台の後、殴られる様子を見て思わず身体が動いてしまう。
 
2人でテーブルに座ると、急につれなくなるジギル。
《客》として彼を誘うルーシーをそっけなくあしらうけれど、
右手を握られ、つい彼女のペースにはまりそうになる。


キスをする寸前で我に返って思いとどまり、
一瞬芽生えたその気持ちを打ち消すようにさっと身を離すと、
「友達としてならたすけになるよ。」と、名刺を彼女に渡して去って行くんですね。


ウブだわ。ウブすぎる(笑)

 


この後も長いです。
何回に分かれるのか、私にも不明(苦笑)
続きます。