This is it

舞台大好き。映画も大好き。私の見たもの日記のようなものです。

「ジギル&ハイド」2015ソウル公演に魅せられて〜4

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「ここを離れて新しい人生を見つけて欲しい。」


 ルーシーは、ジギルの手紙を受け取り、
彼への失恋に心を痛めながらも、夢にまで見た新しい生活に希望を見る。
 
#New Life-新たな生活 / ルーシー
 
ロンドンを離れようとするルーシーの元に、ハイドが訪ねてくる。
ハイドは、その場を取り繕う彼女が、ジギルの言葉に従い、
ここを去ろうとしていることに気がつき、ルーシーを殺してしまう。
そして、その場でジギルに戻った彼は、息絶えたルーシの姿を見て、愕然として逃げる。


私はチョジギルで一番ここが好き。
チョジギルのハイドは、自分に振り向こうとしないルーシーに切なさを感じ、
恋敵であるジギルに嫉妬する。
そして、自分からルーシーを奪おうとするジギルに怒り、
手に入らぬものならと、殺してしまう。
ジギルを知ってるのか?というルーシーの問いに、


「いや・・・少し・・いや、あるいはだれよりも知ってるかも」


と、確認するように呟き、
そして自分が知らなかったジギルの手紙を見て、

「ルーシー、ルーシー、愛してる。だからそばに。」


哀願するような愛の告白。
それを受けるように自分にしなだれるルーシーの偽りに刃を立てる。
 
 
愛しいルーシー。
 
事あることにそう囁くハイドには、哀しいほどの愛情を感じます。
彼女を手にかける瞬間、彼女から目を逸らし悲しげに顔を歪め、
息絶えた彼女を見て悲しみを浮かべながら、
ジギルへの恨みをこめ、彼女の亡骸をジギルに見せつける。


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ウンジギルのハイドはベクトルがジギルにだけ向いていて、
ルーシーは彼を苦しめるための駒にすぎないんです。
ルーシーは結局ジギル、ハイドの両面から翻弄された気の毒な存在で、
無残に斬り殺された亡骸の存在の軽さが悲しい。
 
「ジギルを知ってるの?」というルーシーの問いに、
「いや?少し?普通に?・・・あ、全部かも」
そう答えるハイドのなんと嬉しそうなことか。
 
そしてジギルからの手紙を読んだ時の悔しそうな顔。
怒りは、冷たさに変わり、「私はどこにも行かないわ。」と嘘をつくルーシーに
「そう、お前はどこにも行けない。」と冷たく言い放ち、
冷たい微笑みを浮かべてルーシーを呼び寄せる。
 
彼にとって、ルーシーは嘘をつこうが本当のことを告げようが関係なかったのかも。
ジギルよりも上位にいると思っていたのに、
彼は自分の知らないところで、ルーシーを逃がそうとしていた。
そのことに怒りを露わにし、自分から逃れられることはできないことを
ジギルに見せつけるために彼女に手をかけたのだから。
 
彼女を手にかけるときは、目を見開き快感を感じてるかのように彼女の体を切り裂く。
それは単純に殺人という行為に快感か、この後、これを見たジギルを思い浮かべての快感?
 
ハイドは満足そうに笑みを浮かべ勝ち誇ったように叫ぶと、
ジギルにその有様を見せつけるように意識を交代し、
ジギルはハイドの思惑通り、ルーシーの無残な亡骸の前に呆然とする。


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ウンジギルのハイドの笑みはゾッとするほど冷たく、
ジギルへの執着(もしかして愛?)に満ちていて、恐ろしい。
・・・でも、その危険な笑みに惹かれてしまうの(汗)
 
#Confrontation-対決 / ジキル&ハイド
 
 
ジギルはハイドとの最後の戦いをすべく彼と向き合うが、
ハイドはそんなジギルをあざ笑う。


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ウンジギルの「Confrontation」はとにかく素晴らしい。
ジギルの澄んだ高音、ハイドの低音、そして中音を駆使して、
ジギルの身体の中で、争う2人と、2人が混同していく様子をリアルに表現していて、
ひとりで歌っているのに2人の合唱のように聞こえます。
ハイドはジギルに、「俺はお前だ」ということを認めさせようとし、
ジギルは頑なにハイドを拒絶し、恨みと実験の成功のために
(ウンジギルにとって、この時点で実験の結果を気にする余裕があったかどうか疑うけれど)
ハイドを抹殺することに執着する。
でも、掛け合いながら、お互いの苦しみが同調し、
ラストのアニャ!の叫びはここから抜け出したい2人が一緒に叫んでいるように聞こえました。
 
苦しみを以って、最後に同調する。
それがウンジギルの表現したかったこと、なのかな?
ウンテさん、あってた?
 


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チョジギルのConfrontationは、
限りなく近いところにあった2人の意識が2人が真っ二つに分かれます。
ジギルはハイドを憎み、ハイドはジギルを憎み、
2人の憎しみがぶつかり合い、一歩も譲りません。
ジギルの叫びにハイドは手をたを叩いて挑発し、
最後のアニャ!を、チョジギルは、「ハイド、チュゴ!」と言うジギルの叫びで終わる。
どちらか消えない限り終わらない、
ジギルとハイドの命を賭けた戦いだという強い想いがビシビシと伝わってきました。
 
中合わせでくっついていたチョジギルのジギルとハイドの意識は、
憎しみを以って、訣別をする。
 
まさに、ここでも両極なウンジギルとチョジギルなのでした。
 
 
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どうにかハイドの意識を抑えつけたジギルは、
どうにかエマとの結婚式までこぎつけるが、
契りを結ぼうとしたその時、消し去ったと思っていたハイドが再び現れ、
ジギルの恋敵であり、実験の審議委員会で反対をした最後の一人であるストライドを殺し、
エマも手にかけようとする。
 
ようやくエマの手を取ることのできた幸せに、一時酔うウンジギル。
でも、彼の笑顔には、どことなく緊張感とやつれを感じ、
まだ、ハイドを抑えきれてないことがわかります。


一方、チョジギルは、すっきりとした顔で、
ハイドを抑え込んだと言う自信に満ちた顔のように見えました。
 
何がハイドを出すスイッチだったのかわからなかったけれど、
誓いを立てる寸前でハイドの出現の兆候に、
残る意識でその場から立ち去ろうとして倒れるジギル。
そして、心配して近づいてきたストライドを殺す。
 
公私共に、一番憎かったはずのストライドが、
「なんで生き残ってるんだ〜!」と思ってたけど、ここで殺すのね(笑)

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切羽詰まったように逃げるウンジギルと、
自信が崩れて行くような表情のチョジギル。

チョジギルのハイドは、まさに今を狙っていたかのように現れ、
残っていたストライドを手にかけ、
エマに手をかけようとする。
それは、ルーシーを手にかけなければならなかったハイドの、
ジギルに対する復讐のような気がしました。
 
しかし、彼女の呼びかけにジギルが意識を覚ます。
1つの身体の中で、ジギルとハイドが再び戦い、
ハイドを消すことができないと悟ったジギルは、
この苦しみから解放させて欲しいと、アターソンが向けた剣にその身を投げる。

ウンジギルのハイドは、神出鬼没な鬼のように現れ、
「お前だけが生き残れるわけがないだろう?」とでも言うように、ストライドにささやき、
ほくそ笑みながら彼を手にかける。
そして、エマをも羽交い締めにして、手にかけようとするが、
彼女の「あなたを信じているわ。」と言う言葉に、ジギルの意識が戻る。

エマに知られたというジギルの絶望。
ジギルの絶望に喜ぶハイド。
全てを破壊したいハイドと、愛する人を守りたいジギルの意識が、
互いに押しのけようと争う。

消えることなくひとつの身体の中で2つの意識が混同する様子が本当に見事で、
Confrontationが素晴らしいのはわかっていたけど、ラストのこの場面も、
ジギルとハイドのどうすることもできない意識の叫びに、胸が痛いの。
アターソンの剣に身を投じる彼の最後の叫びは、ジギルとハイド両方の叫びに聞こえました。
 
#Wedding Reception-結婚式 / エマ


ジギルがアターソンの剣に倒れた瞬間、
「オーマイガッ!」と叫ぶエマがどうも引っかかってしまった私。
なぜにそこだけ英語?

それは置いておいて、エマの腕の中で息絶えるジギル。
エマを求めて、彼女に触れる寸前で息絶える彼が、とにかく悲しい。
どうせなら最後にもう一度、エマに触れさせてあげて欲しかったぁ。

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ただいま、地方巡業中の「ジギル&ハイド」
他の3人よりお先に、ウンテさんは今回のジギハイを卒業です。

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もうすぐに、「ジーザスクライストスーパースター」が始まり、
今度はジーザス!
ああ、それも楽しみ。

それに秋には「フランケンシュタイン」の再演も!
絶対絶対、ウンテさんのアンリが見たい。

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でも、でも。

「ジギル&ハイド」再演の折には、
再びウンジギルになってくれますように。


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そして、ソンウ先輩も、巡業が終われば、「ラマンチャの男」・・・かな?(笑)
こちらも10周年記念公演だもの。ぜったいだよね?

ソンウ先輩は、チョジギルよりも、ゾロよりも何よりも、ラマンチャが好きっ!
こちらも、ぜひぜひ見たいです。

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このコンビが最高っ!



今年も、忙しくなりそうです。うふっ。