This is it

舞台大好き。映画も大好き。私の見たもの日記のようなものです。

奇跡の「ラマンチャの男」

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本日はこちらを見てきました。

ラマンチャの男」

怖くもあり楽しみでもあり。

まず第一声は、「松本幸四郎ってすごい。」

御歳75歳が、幕間休憩なしに、
 ぶっ通しで2時間半の舞台を仕切るってことが奇跡ね。

声は、随分きれいに出ておりました。
歌はどちらかと言うと台詞に近くて、
ミュージカルからは少し外れているような・・・。

でも、きっといいんです。

彼を取り巻く役の人たちが、
本当に彼を支えて、
彼の分まで舞台を走り回り、
舞台を動かして行く。

彼の動き自体は、大して動いていないんだけど、
周りが飛んだりはねたりしているから、
躍動感ある舞台になっています。

そして、歌舞伎の動きや間合いが随所に組み込まれていて、
それがとても興味深かったです。

日本ならでは、松本幸四郎ならではの舞台になっています。

韓国バージョンと比べると、
本当に随分違っていて、
これが本当に同じ舞台なのか?と思うほど。

私はやっぱりセルバンテスは、ある程度若くて、
円熟の中に青さの残る感じが好きだな。

その青さが、
劇中のドン・キホーテを動かし、
アロンゾ・キハーナが死ぬ間際にみせた
夢への思いが、
そのままセルバンテスの熱く青い夢への想いと重なる感じが好きだな。

だからチョ・スンウ先輩が好き。

ドン・キホーテ=アロンゾ・キハーナと同年代で、
だからセルバンテスも年老いていて、
私が共感する青い夢への想いがちょっと別のものになっちゃうのね。

それはそれでいいんですけど、
好みの問題なんでしょう。

先日、韓国語の先生のお友達の韓国のミュージカル俳優さんが、
こちらの「ラマンチャの男」を来日してみたそうですが、
そのとき、「スンウ先輩の舞台の方が100倍いいと思うよ。」と笑ったら、
「1000倍だ。」と返ってきて失笑してしまったんですが、

「でも、あの歳でこの舞台をすることが奇跡なんだ。」

と言ってた意味が、とてもよくわかりました。

ミュージカルを越え(はずれ?)、
世界びっくりショーの気分。

とにかく動きといい歌といい、
それをする事自体が奇跡なんだからwww