ラストぷらんけんレポ~コニョウンその愛①
あんにょんです。
渡韓から3週間弱。
ようやく頭が整理されてきたので、
この間の「フランケンシュタイン」のMYマッコンをまとめました。
ぷらんけんが終わって、もう1週間。
でも、いまだ夢の中。
本当に素晴らしい作品だったと、
今更ながらに噛み締めています。
2月末のウンテさんショックから、
私の頭の中は(心の中も)ウンテさんでいっぱいで、
何も手につかず。
結局代わりに見たチサンくん、ウヒョクくんも上の空で(T ^ T)
このままではとても終われなくて、
急遽渡韓を決めたわけですが、本当に本当に、行ってよかった。
ウンテさんが復活したと聞いても、
この目で舞台に立つ姿を見るまでは、安心できなかった。
楽しみにしていたマチネのドンチサさえ、どこか落ち着かなくて、
私ってどんだけ心配性?
私の中で、あの時のことはかなりのトラウマになっていたみたいです。
でも、舞台にウンアンが出てきた瞬間のあの高揚感。
あの喜びも忘れることができません。
もう本当に私って、どんだけウンテさんなんだよ(^^;;
どれだけ見ても、心に引っかかっていたぷらんけんが、
この一瞬で、全て消えてしまって、安らかな気持ちでどっぷり舞台に浸れました。
時間でも回数でもない。
望んだ舞台がただ1回あれば、
全てが昇華できるんだなぁ。
私にとってそれがウンテさんの舞台で、
多分、私はウンテさんの舞台しか求めてなかったのかもしれない。
ウンテさんの作品に関して私は、他を受け入れられない器の小さいヤツなんです。
ふふふ。いつもは舞台を全体的に見たいからオペラグラスは使わないんだけど、
今回、私、初めてオペラグラスを借りました。
席は9列目センター。
肉眼で見れない距離ではないけれど、もうこれが最後のウンテさんのぷらんけん。
彼の表情をしっかり焼き付けたくて、
命の次に大切なパスポートお預けしてまで借りました(苦笑)
パスポートを渡した時、めっちゃ緊張した~~~~!
でも、借りて大正解でした。
肉眼では確認しきれなかったウンテさんの表情をしっかり目に焼き付けさせていただきました。
↑
そんなわけで、今回ほとんどウンテさんしか見てません(笑)
そしてやっぱりセンターに座るって大事だよね。
死角がない。
だよね。舞台はセンターに向けて作っているんだもん。
今まで見られなかったあのシーンやらこのシーンが、こんなだったのかと再確認。
今までは、少しでも舞台に近づきたくてセンターよりも前を狙っていたけれど、
これからのチケットは前よりセンターを優先すると強く誓ったのでした。
そんなわけで私のラストフランケンはこちら。
ビクター:パク・コニョン
アンリ:パク・ウンテ
通称コニョウンのぱくぱくペアです。
ウンテさんとの組み合わせで唯一見ていなかったペア。
いちばん正統派な組み合わせだと思っていたんですが、
ウンテさんはともかく、コニョンさんにとってはいちばんの相手だったと思う。
アンリの登場は、とにかく緊張感で張り詰つめていました。
生と死の狭間にいる人間のぴりぴりした空気を纏い、怒りに満ちている。
戦争に対する怒り、軍への怒り、不公平で無慈悲な世の中への怒り、
そしてそれに対して何もできない自分の無力さへの怒りにイライラして、
反抗心丸出しのとんがったウンアン。
目を吊り上げ、中尉に食ってかかり、ビクターを睨みつける。
なんて青いアンリなんだ!
最近、なんだか演技に優しさを感じていたけれど、
モーツァルトといい、ジギハイトといい、
もともとウンテさんは反骨心の高いとんがったキャラが彼の真骨頂。
ここへ来て、こんなアンリが見られるなんて!
最初からもうゾクゾクしてしまいました。
研究所を見て眉を顰め、ウンアンは自分の信念を曲げることなく、
コニョビクの理想と真っ向から対決し、火花を散らす。
自分の信念を持って噛み付いてくるウンアンを、
コニョビクは理路整然かつ熱く自信満々に自分の理想を語り彼を取り込もうとする。
「♬ただひとつの未来」は、コニョビクとウンアンの対決の歌なんだ。
それが、
「もっと素晴らしい人間の世界観を作りたいのだ。 」というビクターの言葉に、
それまでまっすぐに前を見据えていた視線がゆらりと揺らぐ。
「ああ、ここでビクターに傾いたんだなぁ・・・。」と思いました。
でも、まだ自分の信念は曲げたわけじゃない。
表情はきりりとしたまま、心も許さない。
ただ、世の中への自分の想いビクターの理想に重なったことで、
彼と手を組めば自分の研究が生かされるかもしれないという
「研究者の下心」を持って、彼と向き合ったんだよね。
それなのに、自分の理想を熱く自信満々に語るビクターにいつの間にか載せられて、
思わず彼と熱い握手を交わしてしまった自分に驚き、
つい自分の手を見てしまうウンアン。
あの一瞬の戸惑いが、大好きです。
そして、その掌に残るコニョビクの掌の熱につき動かされるように
彼の後を追ったウンアン。
♬今まで僕が生きた人生
あらゆる事 すべてを疑った瞬間
太陽のように近づいてきた君を見て
これまで僕はどれほど弱い存在だったのか
「♬君の夢の中で」のこの歌詞は、この瞬間だったのね(T ^ T)
ビクターが戦争が終わったことを将軍から告げられた時、
ウンアンは微動だにせず、ただ黙って様子を伺う。
それは軍人らしいとも見えるが、
その瞳は、この後ビクターがどうするのか冷静に虎視眈々と様子を窺っていて、
ここでもまだ、完全にビクターに心を許したわけじゃないんだと思ったのね。
その瞳はまるで保護されたての野良猫。
警戒心で身を包み、不用意に近づいてきたら爪を立ててやる気満々。
ユビクですんまそん。
初演の画像っす。
初演よりも青くて尖ってます。
将軍が命じたのと全く同じセリフで(そしてほとんど棒読み)
アンリに命令するビクターに、
「質問ですか?命令ですか?」と、全く同じ言い方で返すウンアンのその目は、
ビクターを挑発するような光を放っていて。
だからビクターは、アンリの胸を何度も小突くんですよね。
後ろに後ずさってしまうほどの強さで。
そして「上等だ。」と言わんばかりに不敵に笑ってアンリの挑発を受け止める。
「頼むよ、友よ。」
コニョビクは意外と大人で男臭い。
その返しに逆に戸惑うウンアンの瞳がまたいいのよね。
「チング」と言われても表情を緩めはしないけれど、瞳がまた揺らいだのは、
自分の信念とは裏腹に、ビクターに惹かれていく自分を認められなかったんだよね。
そして「♬だけどきみは」で、自分を卑下しながら、
どこまでも理想に堂々と突き進むビクターへの憧れをこっそり零す。
素直じゃないウンアン、でも、それも好きだぁ。
それからのウンアンはどこまでも一途にまっすぐビクターを見つめてる。
「♬平和な時代」でも、その後のエレンとのやり取りでも、
ただただ、まっすぐにビクターを見つめてるの。
そして、ジュネーブに帰ってからのビクターの頑なさに首を傾げ、
舞台の後ろでルンゲにそのわけを聞いたりして、
どこにいても、頭の先から指の先までリアルにアンリを生きている。
実験が失敗して「脳が焼けた!」と城から飛び出してきたビクターに、
唇に指をつけてエレンが来ていることを伝える仕草は、
何度見ても萌えるしぃ\(//∇//)\
なんであんなに綺麗な指なんだぁ~!
「♬孤独な少年の話」で、ウンアンは少年時代のビクターに触れ戸惑い、
ただ、立ち尽くし、チビビクを見つめる。
「ビクターは僕にとって友達以上の存在です。」
エレンに伝えたその言葉は、初めて彼への憧れを口にした瞬間なんだ。
金も権力もあるから、自信満々に理想を語ることができると思っていたビクターが、
自分と同じようにトラウマを抱え、
それを乗り越えるために前に突き進んでいた事実を知り、
自分にできないことをやってのける彼の強さに心から傾倒したんだよね。
愛おしさと憧れ。
なのに酒場のコニョビクは、
酔っ払ってクダを巻く中年オヤジそのもので頼りなかった(笑)
コニョウンの酒場のシーンは妙にリアルで、
日常のウンテさんとコニョンさんが見えるようで笑ってしまった。
ここにドンニュたちとは違うリアル年齢が見えてしまったわ(^^;;
居酒屋で、盃を交わす男2人。
凹みまくって不貞腐れてるコニョビクを、カラ元気で一生懸命盛り上げるウンアン。
それはドンビクにもユビクにもしなかった、大げさな歌い方で、
全身でコニョビクを盛り上げようとしているんですよね。
すると、ウアンもチウンにも、顔を向けなかったコニョビクが、
ウンアンで初めて顔をあげるのよ。
それにはちょっと感動してしまった。
コニョビクは壁が厚くてなかなかアンリが踏み込んで行けず、
アンリの片思い感が否めないんだけど、
「繋がった。」って思った。初めて2人の想いが対等になったと思ったの。
でも、ルンゲが頭の調達ができたと駆け寄ってきた時、
「葬儀社!」というセリフはやっぱり、1人でしゃべっちゃって、
ウンアンは一緒に言いたそうに口をパクパクしていたけど、
コニョビクの性格をちゃんと把握して、そこはすぐに諦めて、自分は先にルンゲと抱き合ったりして(笑)
コニョビクの扱い方、めっちゃ把握しているウンアンなのでした。
一転した雰囲気に包まれる「♬殺人者」
私、ルンゲの告白のとき、アンリのシルエットにジーンとしてしまった。
だって・・・・一生懸命探さなくても、
ウンアンの歌が流れてるーーーー(T ^ T)←当たり前
↑
だってぇ・・・ウンテさんショックで観た舞台では、
そうやってウンテさんの面影を舞台の中に探してたから。
コニョビクの「♬私はなぜ」は、
こここそ自分だけの舞台って感じで、ノリが素晴らしい(笑)
やっぱり、コニョンさん俺様だからさぁ。
この曲は、俺様らしいコニョビクさがよく出てるんですが、
今回は、いつもと少し違っていました。
血が通ってる(^^)
本来は、「望む世の中を作るには犠牲が必要」と、伸ばす手に、
アンリの首への欲望が怖いほど出てるんですが、
今回はその気持ちより、それを抑えようとする「友情」の方が強く感じました。
その後、牢獄のアンリに逢いに行くわけだけど、
今までは全くアンリを見ずに泣いていた(演技をしていた)コニョビクが、
ウンアンを見て泣いている(涙)
彼が断頭台に連れて行かれる時、
「事実を言え!」と叫ぶ声は心から叫んでいるように見えたし。
あれ?コニョビクちょっと変わった?
2月末にコニョチで観た時、めっちゃくちゃ冷酷で、
牢にチアンが入っている時から、
彼の首を狙ってるんじゃないか?と思ったほどだし。
そんでもって、チアンの首を手に入れた時のにやりとしたその笑顔の怖いこと!
アンリを失った悲しみなんて全くなくて、欲しいものを手に入れた恍惚の笑み。
あれは初演のゴンビク以上の冷酷ビクターだったわ。
それなのに、号泣こそしなかったけど、この回のコニョビクはユビクに近かった。
アンリの首を手にした時に、愛おしそうに胸に抱き、
「♬偉大なる生命創造の歴史が始まる」で絶唱するコニョビクは、
自分の夢の実現と言うより、
アンリを生き返らせるために生命創造をするんだって言う強い決意を感じました。
その姿は、病で亡くなった母の亡骸を家に連れ帰った少年時代や、
首吊りで亡くなったエレンを生き返らせようと
実験室に彼女の亡骸を運んだ彼と重なって、
初めてこの歌で泣けたよ。
コニョビクにとって、
ウンアンは一番大切な家族と同じくらい大切な存在だったんだなぁ。
だからね、ケムルが誕生した時の彼の喜びの顔が忘れられません。
心からアンリが生き返ったことを喜ぶ笑顔。
なのに、ケムルにはまだアンリの記憶は戻ってなくて、悲劇が起こってしまう。
そのときの絶した顔も忘れられません。
アンリはというと、もうね、揺るぎない。
一点を見つめ、判決をぐっと受け止める。
それを受けることに一点の曇りもないのよね。
でも、コニョビクが面会に来た時、また揺れる。
そして一呼吸置いた後、笑顔で彼の方を見て「来てくれたんだね。」と声をかける。
今まで、どのアンリもビクターの顔を見ることができずに
ビクターに背を向けていたこのシーンで、
ウンアンは笑って彼に顔を向けたのよ。
それがもう、切なくて。悲しくて。
「どうして・・・」と、アンリを問い詰めるビクターに、
「それが運命だったんだよ。」と、淡々と語る。
だから笑って見送ってくれと。
・・・だから笑ったんだね(涙)
ビ「今からでも真実を語れ」
ア「だけど、それでもしきみが死刑になったらどうするんだ!え?」
↑
ここの「ん?」っていう言い方がガチツボなの。
一度ビクターにかけよりながら、心が揺れそうになって、
ビクターに背を向け「僕が選択したことだ。後悔はない。」と言うウンアンは、
もう涙がウルウルしていて、涙が溢れそうでそのままビクターの顔を見られない。
「なぜ、きみが私の代わりに死ぬんだ!?」
ビクターの叫びに、
「きみが生きていたら、僕らの研究が続けられる。」と、想いを吐露する。
それは切実な彼の願い。
単にビクターのためにではなく、
「科学者アンリ・デュプレ」の夢をも実現させるためにの決断なんだよなぁ。
自分の夢を実現させるために命を投げ出し、
ビクターに全てを託したんだよね。
その後の「チングや」は、
「きみのためなら死ねる」というビクターへの盲目的な愛ではなく、
「だから後のことを頼む」という、共同研究者としての願いだったんだと思う。
「僕らが出会った時のことを覚えている?」
↑
ここの「きおんな?⤴」の言い方がまたツボ(笑)
から始まる「♬きみの夢の中で」は、確かにビクターへの告白ではあるけれど、
友情とか、愛情とか、そういう甘っちょろい感情ではなく、
夢を実現させるための必然的な決断で、彼はそれを「運命」だと言ってるんだよね。
つまり、彼の選択は犠牲ではなく夢の遂行。
君が話してくれた未来が
僕の前に繰り広げられないとしても
どうせあの日君に出会えなかったならば
再び生きる僕の人生もなかったんだ
君と共に夢を見ることができるならば
死んでも大丈夫 幸せだ
断頭台に登る時も、上に上がった時も、客席中央の一点をジッと見据えるの。
それが丁度、私の席のあたりで、
死に向かうウンアンとめっちゃ視線があってドキドキしたけれど、←バカ
ウンアンは私の席のあたりにビクターを見ていたんだね。
たくさんの群衆の中に、
自分を見つめている(もしくは「やめてくれ!」と叫んでいる)
ビクターを見つけて、
僕が持てるすべてを懸けて
君のその夢の中で生きられるならば
弱かった僕の過去をすべて忘れて
君と共に新しい世界を思い描くことさえできるならば 僕は
きみの夢の中でいきたい~♪
と、自分の想いと夢をビクターに託し、
最後に希望に満ちた笑みを浮かべたの。
「ビクターならきっとやり遂げてくれる。」そしてもしかしたら、
「生き返って、もう一度ビクターに逢える。」と信じたのかもしれない。
心を決めた本当に何の迷いもない笑み。
たまらん!号泣。←最初っから号泣していたけど
このアンリは聖者ではない。
しっかり自分の主張をして、
友のためだけでなく、自分の夢のために死んで行く本当に青臭い男だ。
だけど、だからこそ、そこにたまらなく人間らしさを感じて、
この回のウンアンがたまらなく好きなんだ。
そしてその後の「♬偉大なる生命創造の歴史が始まる」は、
ウンアンの想いを受け止めたものだったから、
コニョビクは、あんなに彼の首をだきしめていたんだね。
酒場から続く一連の流れに、コニョウンの絆の深さを感じて、胸が熱くなりました。