This is it

舞台大好き。映画も大好き。私の見たもの日記のようなものです。

「ノートルダム・ド・パリ」~韓国バージョン~1


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あんにょんです。
先日ソウルへ純粋に舞台を見るためだけに飛びました。
その中の1つ。


ソングスルーミュージカルで、台詞は一切ありません。
アンサンブルは踊りとアクロバットで舞台を沸かせ、
歌い手は大いに歌い上げ、常にフォルテシモの歌合戦のようなきらいがあるけど、
ドラマチックが好きな韓国では、根強い人気作品。

フランスミュージカルは、こういう作りのものが多いけど、
ドンジュアンと言い、私は案外このフランスミュージカルが好きみたい。
ってか、楽曲が良すぎるのよ。
どの歌も私にはツボなメロディでハマるんです。
スケジュール的に移動が難しいので、土曜日1回って決めていたのに、
公演見た後、どうしてももう1度観たくて
無理やりおかわりしてしまったのでしたf^_^;)

今回全く予習していなかったのに、直前についともサマが資料を見せてくれて、
それがとても助かったの!
本当に本当にありがとう!!!

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7/30マチネ

カジモド:ホン・グァンホ
エスメラルダ:チョン・ナヨン
グランゴワール:キム・ダヒョン
フロロ:ソ・ボムソク
フェビュス:イ・チュンジュ
クロパン:ムン・ジョンウォン
フルールドリス:ダウン


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7/31マチネ

カジモド:ホン・グァンホ
エスメラルダ:ユン・ゴンジュ
グランゴワール:マイクル・リー
フロロ:チェ・ミンチョル
フェビュス:オ・ジョンヒョク
クロパン:ムン・ジョンウォン
フルールドリス:ダウン




【第一幕】

♫대성당들의 시대/大聖堂の時代 

私が「ノートルダム・ド・パリ」を知るきっかけになった歌。
ウンテさんが歌っているYouTubeを見て、ものすごく好きになったんですね。
この歌を聴きたくて、この舞台を選択したくらいで。


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キムダヒョンssi
ビジュアルは最高!

んで、最初、ダヒョンさんのグランゴワールで聴いたのだけど・・・。
上手いです。基本的には何の問題もありません。
ビジュアルも最高にカッコいいし。
・・・だけどどうして、声をしならせてしまうの?

ちんぐちゃんは「気合が入っていたんだよ。」って言ってたけれど、
それがどうしても気になってしまって、残念すぎる(涙)
それに、私的にグランゴワールのイメージが彼じゃなかったのも残念。

もう本当にこの歌が好きすぎるので、素直に歌って欲しいんですよね。
ウンテさんが歌うこの歌が好きすぎて、
イメージが固まっているのはわかっているから、
客観的に聴いたつもりだったんですけど・・・ダメでした(涙)


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マイケルリーにむ
背がちょっと気になるぅ。

で、どうしても素直に歌っているバージョンが聞きたくて、
急遽お代わりしたマイコーグランゴワールですが、
あっさりしているけど、素直に語りかけるように歌ってくれて満足。
もちろん声量も歌唱力も文句なしだしね。
演技も繊細で、吟遊詩人っぽいから、私は彼の方が好きかな。
(でもやっぱりマイコーさまは私の好みじゃなかった。)

ストーリーテラーってむずかしいよね。
話の中に入ったり、外に出たり。
物語から離れすぎると、存在が薄くなるし、
心を傾け過ぎると、話が進まなくなる。
彼が歌う「悲しくも美しい恋の詠」として、舞台が終わらなくちゃいけない。

その点、マイコーグランゴワールは舞台を俯瞰的に見ていて、
私的にはもう少し物語に入り込んで突っ込んで欲しかったけど、
バランスがいいような気がしました。

ダヒョンさんは前から思うことだけど、
こういう歌い上げる舞台にはちょっと声が軽いんですよね。
歌の重量級ばかりのキャラだから、勢いに吹き飛んじゃって、
物語への絡み云々以前に、存在が薄い。
彼のグランゴワールは全然印象が残ってないの。
彼のよさが出なくてもったいない。
どうしてもこの作品に出るっていうなら、
グランゴワールよりフェビスの方があっているんじゃないかな?
って、ちょっと辛口?すいません。



♫거리의 방랑자들/街の放浪者 

威勢の良い音と共に登場するクロパンにはワクワクしました。
ムン・ジョンウォンさん、「生命の航海」のラルー船長以来の熱烈ファンなんです。
包容力のある声が最高に好き。
だから放浪者たちのリーダーであるクロパンはとてもはまり役だと思います。
実際、彼が出てくると心が温かくなったし。
でも、彼のカジモドも観たかったなぁ。


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ムン・ジョンウォンssi
彼の歌には、何度泣かされたか。


歌もダンスももちろん文句なし。
跳んだり跳ねたり、アクロバティックちっくなシーンもたくさんあって、
高く吊るされた鉄柱の上で踊るシーンでは、
落ちたりしないのかと、要らない心配をしながらも、
その動きと歌にすっかり心奪われてしまいまして。
アンサンブルのエネルギッシュな歌と踊りに、
居場所を探す異邦人の苛立ちと焦りがぶつかってきました。

一緒に踊るアンサンブルもすごく上手で、
韓国は最近の本当にダンスが上手くなってる!




♫보헤미안/ボヘミアン  

エスメラルダ、見る前のイメージは、
結構色っぽい妖艶でそれでいて姉御肌な女性かと思っていたんですが、
最初に観たチョン・ナヨン嬢のエスメラルダが
あんまりにもお子さまでびっくりしました。


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チョン・ナヨン嬢
ファンテーヌやった時は大人っぽかったんだけどなぁ。


歌はもちろん素晴らしくて、ストレスフリーなんだけど、
腰を振り踊る姿が子供の体操のようで、まるで色気を感じられなくて、
どうしてこれで誰も彼もが彼女に恋してしまうのかわからない。
これじゃあ、おじさん年齢のフロロは完璧ロリコンになっちゃうんですけど(~_~;)

でもエスメラルダって信じられないけど14歳なんですよね。←やっぱりロリコン
大人と子供の間の際どいお年頃。
だから、ものすごい子供っぽくても合っているって言えば合っているけど・・・。
純粋無垢な少女なのに、無防備に井戸で身体を洗う姿は妙に色っぽくて、
ドキッとしてしまう男心はわかったような気がして、納得してしまった。

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ユン・ゴンジュさん。
彼女も「生命の航海」以来、ファンです。
コケティッシュっていうんですか?でもかわいい。


逆にゴンジュさんだと、色気も無邪気さも兼ね備えていて、
そんなところが彼女によく合っていて、14歳はさすがに少しきついけど、
開放的な色気がエスメラルダらしくて。
みんなを虜にした踊りも、彼女こそ太陽って感じで素敵です。
全体のバランスから行くと彼女の方がしっくりくるかなぁ。
それに私は彼女の歌が大好きなのさ。


♫미치광이들의 축제/狂人たちの祝祭 

ささ、カジモド登場です。
壁や柱の陰からこっそり外を見るカジモド、
行為は完全にストーカーなんですが、その仕草が可愛い(o^^o)
彼女が何かやるたびにニコニコ頬を染めて、本当に初恋って感じ。

醜いカジモドを狂人の王に祭り上げるグランゴワールは、
意外と残酷だなって思ったりするけど、
その王冠をかぶってニコニコしているカジモドは頭弱いのかなぁ?
それとも、全てを諦めているから?


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ホン・グァンホくん。
「Dr.Zhivago」の演技がどうしても好きになれなくて、
それ以来若干苦手。
でもロンドンで絶賛だったと聞き、
再度チャレンジしてみたんですけど・・・。


そして今回2回ともグァンホくんのカジモド。
この公演、彼を観るためにとったと言っても過言でないけど、
私はやっぱりグァンホくんは・・・心に響かないんだよね(苦笑)

声量最高。歌も素晴らしい。
クリアな声色で、どこまでも伸びる美しさ。
(途中、カジモドらしさを出すためか、わざとがなっているのが気になったけど)
でも、なんだかね、演技が薄いの。薄く見えるの。私には。

カジモドの存在が薄い。
それは彼の苦悩や悲しみが見えないからだと思うんですよね。
歌詞を思えば切なくなるんだけど、なぜか彼の歌から伝わってこなくて。
最初に見たジバコの時もそう思ったんだけど、今回もそう思ってしまって、
カジモドが脇役にしか見えなかった。

Kwillくんやジョンウォンさんだったら、違ったんだろうか?
それともこの作品のカジモドはそんな存在なんだろうか?
多分主人公であるカジモドに共感を感じないのがちょっと寂しかったです。
たぶん、彼も私と相性がよくないんでしょうね。

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♫ 납치 시도/拉致の試み 

捕まっても切羽詰まってないグランゴワールと、
彼を助けようとして、「彼と結婚してもいい」と言い切るエスメラルダ、
それを見て笑うクロパンが印象的で。
「最近のお前を見る目が変わった」と自分で告白した彼が、
あまりに微笑ましく愛おしそうに笑うので、きゅんとします。
このへん、荒々しくも懐の深いクロパンの魅力満載で好き。

一方、グランゴワールは「僕をもらってくれた!」と驚くところが
なんともかわいくて。
特にマイコーさまは目がまん丸くなって、すごくかわいい!
とても殺されるところだった人とは思えない(苦笑)

敷かれた布団の上で、
「私は複数の女性を愛する人間ではない。
お前が望むなら、私のただ1人の女にしてもいい。」←してもいいって(~_~;)
なんて告白するグランゴワール。
「結婚したからといって、心も体も許したわけではない。」
ときっぱりエスメラルダに断られて、すごすご布団をたたんで片付けるところ、
思わずクスッと笑ってしまう。




♫아름답다/美しい(belle) 

優しく、強く、しなやかな心。
子供から大人に変わる危うさと、瑞々しさ。
若さという輝きと、肢体の艶やかさは匂い立ち、
無防備で怖いもの知らずな瞳に男たちは心を惹かれずにはいられない。
美しい旋律に、カジモトとフロロそしてフェビュスの
それぞれのエスメラルダへの想いがよく表れていて、とても好きなナンバーです。

私的にベルはこの3人がベストキャスト。
やっぱりグァンホくんよりジョンウォンさんの方が声も演技も好み。
(彼のカジモドは見ていないけどww)


眠るエスメラルダをかこむように立つ3人。
彼女の寝返りや無防備な仕草がまた、唆るんですよね(笑)
そういう意味ではナヨン嬢の子供っぽさは意味があるのかも。
ゴンジュさんも素敵だけれど、危うさが薄いかもしれません。

3人が3人ともエスメラルダに性的な魅力を感じているんだけど、
彼女に好意を持っているのに、ここにグランゴワールが入らないのは、
彼にはそういう欲がないからなのかな。

初恋なんだから仕方がないんだけど、
カジモドび想いは子供っぽくてカマトトなところが好きじゃない。
フェビスは恋人がいながら、フラフラとエスメラルダに傾いて、
運命と囁くせに、彼女の身体目当てで誠実ではない。

フロロは猛烈に性欲を感じながらも、
そんな心を抱く自分も彼女の存在も否定するけど、
心の中に溢れる彼女への想いを消し去ることができない。
突然訪れた初恋に戸惑い翻弄されるその歌声が切なくて、
ぐっと惹きつけられてしまった。

まさか悪役のフロロに?
自分でもびっくり。

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フロロ・・ずいぶんオヤジのはずなのに。
キュンキュンな恋に苦悩する姿。
ミンチョルさん(右)の方がおっさんくさい(笑)
ボムソクさんは初演からフロロなのね。
前作までの動画よりも、今年の方が若いのはなぜ?
恋に身悶え方が今年の方が苦しそうだからかな?


♫파멸의 길로 나를/私を破滅させようとしている

とにかく、ここのフロロが好き過ぎる。
心を一気に鷲掴みされた感じ。

神への忠誠と、突然落ちてしまった恋への戸惑い。
押し留めても止めることのできない激流のような恋心。
神に使える身でありながら、女性を愛してしまう自分を戒めようと
エスメラルダを自分を破滅に陥れる悪魔だと考える彼の身を引き裂かれそうな葛藤。
なんだ?これ。
悪役のエロオヤジのはずなのに、どうしてこんなにドキドキするんだ?

エスメラルダを盗み見る柱が彼を挟むように動いて、
板挟みになりながら、気持ちを吐露するフロロ。

ああ、恋に年齢なんか関係ないよね。
舞台の上の彼は悲しくも美しく見えました。
切なくて切なくて涙が出ました。
悪役なのに。
でも、悪役の前に彼も思い通りにならない自分の恋心に翻弄されるひとりの人間で、
そこまでひとりの女性を愛することができる一途さに、
実はこの舞台のキャラの中で最も愛すべきキャラのように思えてしまいました。

私は人知れず想い、見ているだけのカジモトよりも、
悶え苦しみ、破滅の道をひた走るフロロの方が好き。
そしてそして、ミンチョルさんももちろん素晴らしかったんだけど、
私はソ・ボムソクさんのフロロが身悶えるほど切なくて好き。
一気にファンになってしまいました。


そんなボムソクさんバージョン。




♫숙명이여/宿命 

フェビスとエスメラルダの初めての逢瀬は、
いきなりベッドの上という、なんて身も蓋もない展開なんだ!(苦笑)
そしてエスメラルダを抱く前にフェビスは背中を刺されて倒れるんですけど、
誰に刺されたか、結局わからなかった(涙)
多分犯人はフロロだっていうのはわかっているんだけど、いつ?(苦笑)