This is it

舞台大好き。映画も大好き。私の見たもの日記のようなものです。

ringhun的「子午線の祀り」予習~6



頼る者もなく、孤軍奮闘で四面楚歌な状況を打破しなければならない知盛。
でも気がついているんです。平家はもうダメだってことに。

北斗の剣先の方角には金神(こんじん)が位して、
それを背負うて戦わねば戦に必ず敗れる。
(それなのに今自軍は向かい合ってる)

陰陽寮の小博士から聞いた言葉を今更のごとく思い出し、
抗えない大きな力に一族が流されていくことを感じている。

どこかで諦めを感じながらも、抗えない力に抗うしかない
知盛の心の内はいかほどか。
その苦悩と葛藤を余すところなく(笑)吐露致します。←だって主人公だもん

その心内を吐露する対象として登場するのが、
唯一の架空の人物、影身の内侍(かげみのないし)です。←影身で覚えてね



影身とは、どんな人物?

平家の氏神厳島大明神。
世界遺産の、コチラですね。

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影身はこの厳島大明神に使える巫女で、神事の折に舞う舞姫の1人です。
厳島大明神と言えば、宿命通、天眼通、温尺通の三明に、
天耳通、知他心通、身如意通を加えた六通の霊神。
その神に仕える巫女は一目おかれる霊能者でもあるわけです。

しかも、清盛が生前後白河院を招いて行った宴の席で、
舞を披露した中の一人だった彼女は、
かつて清盛が寵愛した白拍子祇王の生き写しと言われ、
その時、知るはずもない祇王のことを事細かに話して評判になったのでした。

その神秘的な美しさに、本三位重衡の目に留まったのですが、
実はその時、知盛も密かに想いを募らせていたようで(〃ω〃)

弟の恋人を愛してしまった兄と言う、
まるで韓国ドラマのようなドラマチックな設定。きゅん❤
しかも弟は好き者のプレイボーイで、兄は恋に不器用な無骨な騎士。きゃっ。

こほん。

知盛は巫女しての彼女に、自分の感じた不吉な予感が何か訊きたいと思いつつ、
誰にも言えない心が折れそうな想いを、彼女の胸に抱いて欲しいとも思い、
愛しい女として、彼女に想い人、重衡に逢わせてやりたいとも思う。
そして、軍師として、彼女を利用しようとも思ってる。

複雑な想いを抱きながら、彼女にだけ自分の本当の想いを吐露する・・・
ああ、この辺は実際の萬斎さんの演技で堪能したいですね。


それに対して、影身は一応想い人がいる設定だけど、
本当に重衡を想っているのか微妙な感じ。
知盛を慕っているようにも見えるし、
そうではなく世の中全てを憂いでいるようにも見える。

全てが曖昧に見えて、全てを見透かしている、そんな実体の薄い神秘的な役。
←いや、途中から本当にこの世の人ではなくなるんですけどww

イメージ 2

この画像のイメージそのもののような気がします。

若村さん、難役ですが、彼女のイメージに合っていると思います。
出番的にそんなに多くはないし、知盛以外にはほとんど絡まないけれど、
影身は知盛の心の拠り所で、彼の心の分身でもある。

彼女がどれだけ懐を深くするかが鍵のような気もします。
ってわけで、彼女もキーマン。