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舞台大好き。映画も大好き。私の見たもの日記のようなものです。

沼!ミュージカル「ママドントクライ」ringhun的解釈~1



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マドンク デビュー。
今まで観る機会は何回かあったのにスルーしていたので、今回初めて観覧。
なにこれ!一瞬で心鷲掴みされてぎゅんと沼に引きずりこまれました。

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5/3ソワレ
v:ソン・ヨンジン
伯爵:コ・フンジョン

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5/6マチネ
v:チョ・ヒョンギュン
伯爵:チャン・ジフ


はちゃめちゃなストーリー展開。内容はないけどノリのいい舞台かと思っていたら、
なかなかそうでもなくて深い!
そしてなにこれ、キャストによって全然話が違ってるじゃん!
同じ歌、同じ台詞なのに、こうも違う作品になっってしまうなんて、
だから演劇っておもしろい!と思わせてくれる醍醐味を感じるけど、
これを許す制作サイドの懐の深さ。そして計算高さ。
これ、観客はほかの組み合わせ絶対観たくなるし、リピが沼になるって当然だよね。

さてさて、話はほぼ7割(いや8割?)Vの一人芝居。
めちゃくちゃなセリフ量に、とんでもなく早口で、
ヒヤリングも単語量もバブちゃんレベルに太刀打ちできなくて目が回るけど、
言ってることの半分以上は無駄だと思われるので(失礼)
その辺は聞き流して、感覚でついて行く方がいいみたい。←私向きww

それでもマニアのフォロイーさんたちに色々レクチャーしていただき、 
しっかり予習できてよかった。
みなさまありがとうございました。

前半は、子供の頃から父の書斎に篭って勉強していた天才、プロフェッサーVが、
普通じゃない自分を見て泣く母のために、普通になろうと彼女を作ろうと試みるも、
振られまくって。「魅力がない」と卑下したVは、魅力を伝授してもらおうと、
タイムマシンを作ってドラキュラ伯爵のところに行き、
ドラキュラにしてもらってモテモテになるけど・・・。って話(笑)
あらすだけ読むとなんじゃこりゃ?
こんなチャラくてむちゃくちゃな話なのに、
実際は全然2.5次元とかじゃないところが本当にもうすごいです。


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ヨンジンVはとにかく演技の幅が広くて、
最初の子供の頃や伯爵に出会う前のイケてなさが最高。
とにかく爆笑の嵐。そんなやついねぇだろ?と突っ込みたくなるけど、
やっぱり芸達者ですね。
寒い(と思われる)ギャグを連発して、1人ツボにはまってマジ笑っちゃってるし、
吉本コントかっ!って突っ込みたくなる。でも可愛い(笑)

無名の物理学者だった父が蒸発して、
毎日泣いて暮らしてる母と二人暮らしという環境でも暗さは微塵もないVは、
同年代との接触も皆無なまま飛び級して教授になるほど天才なんだけど、
学問的には類を見ない天才なのに、社会性、常識のない
アンバランスなアブナイキャラを誇張してドッカンドッカン笑わせてくれる。


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ヒョンギュンVは、それに比べるとちょっとおとなしいと言うか、
抑えていると言うか。あまり作らず自然な感じの演技。
今まで気がつかなかったんだけど、ヒョンギュンさんてかっこいい(笑)
過去の子供の頃は別として、語り部としての「現在のV」は、かっこよくなった後だもんね。スッキリ爽やかな「現在のV」が「話の中の過去のV」と交互に明確なセリフを回してくれるので、ヒョンギュンVはイケてないイメージよりかっこいいイメージの方が強いな。

さて、タイムマシンに乗って、1459年のルーマニアへ。
そこには、完全な魅力を持つドラキュラ伯爵の姿が。

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フンジョン伯爵は何もかもがもう嫌になっている憂いの伯爵で、
Vの突然の登場に、驚きつつも
「愛されたいんです!」と訴えるVの言葉に、彼に付き合い特訓したりする。
←「愛されたい」「愛する」この言葉はキーワード。

とにかくヨンジンVのイケてなさが半端なくて笑う。
単に子供っぽいっていうんじゃなくて、ひどい猫背、オタクちっくなポーズ、
怪しすぎて近寄りたくない(爆)
それをフンジョン伯爵が細かくチェックして姿勢を直すんだけど、
すぐに元に戻っちゃう。ため息をつく伯爵。←そのため息がまたナルちっくww

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ジフ伯爵は、とにかく若い!
財閥のボンボンって感じで、傲慢でなにもかもがつまらなそう。
「相続者たち」の傲慢な主人公たちの中にいそう。
突然現れたVを蔑んだ目で見て、汚いものを掴むように
しがみつく彼の髪の毛を引っ張って引き剥がしたりして彼を拒むくせに、
SっぽくVにダメ出ししたりして、ツンデレか?

ヒョンギュンVはとガキっぽいイケてなさで、
意外とすぐにかっこ可愛くなっちゃう(苦笑)
私はこれでもOKなんですけど←誰も聞いていない。
でも、それくらいじゃOKださないジフ伯爵結構厳しい。やっぱりツンデレか(笑)

「私の血が永劫の生という苦悩を与えるだろう。それを受け入れられるか?」

「完全な魅力を手に入れるには伯爵と同じように吸血鬼になること」だと気がついたVに返す伯爵の言葉。その意味を深く考えず、メーテルとの愛を成就するためだけに承諾する。

<こんなに美しい>

Vに近づく伯爵。血の取引をする一連のこのシーンと歌が私は好きだ。
フンジョン伯爵は、Vに近づきながらも終始苦悩の表情で葛藤している感じなのね。
長い孤独の時間の中、本当の自分を必要とする者をずっと待っていた(と思われる)伯爵だけど、瞳は喜びではなく更に憂いを湛える。
血を与える間、苦痛と後悔に顔を歪めるフンジョン伯爵には、
この後Vに起こる全ての悲劇に対してそう感じているように思えた。
→フンジョン伯爵が苦痛に悶える姿がツボ。
   自分に酔っていると言うか(笑)身悶えます(笑)

ジフ伯爵は、待ってましたとばかりにVに色っぽく誘い、
「いただきます」とばかりに彼の血を吸い、
自らの手首を噛み切りその血を彼に与える。
苦痛に顔を歪ませながらも、どこか満足感を漂わせる。
←これ、あんたの策略なんだね?