This is it

舞台大好き。映画も大好き。私の見たもの日記のようなものです。

Man of La Mancha好きだ~!



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ああ、3年ぶりのラマンチャ
10周年記念公演だった。
記録していたつもりで、どこにも記録してなかった。残念。

私にとってラマンチャチョ・スンウ先輩で、
彼の演じた作品の中で一番好きな作品。
だから、彼以外で観るつもりもなかったんだけど、
牢名主をムン・ジョンウォンさん、
3年前に観られなかったサンチョ職人のイフンジンさんが演るというので
レッツトライ。(主人公は2の次ってとこがww)

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5/6ソワレ

アルドンサ:チェ・スジン
サンチョ:イ・フンジン
牢名主:ムン・ジョンウォン



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そうは言っても、マンソクさんのセルバンテスなかなか良かったです。
スンウ先輩よりもさらに若くて青いセルバンテスでした。
だからドンキホーテもかなり若め。
それについては、好みの分かれること路でしょうが、
私には、「若いセルバンテスが演じるドンキホーテ」として
演じているよう見えたので、スンウ先輩とはまた違った良さがありました。
マンソクさんは前から思っていたけど、演技が細かいので私向き。←
お歌は普通。グァンホさんと比べたら見劣りするかもしれないんだけど、
この作品は歌より演技が大事だと思っているので(どの作品もそうだけど特に)
マンソクさんはとても満足です。

マンソクさん、セルバンテスをとても大切に演じていまして、
それがとても好きでした。
ドンキホーテを演じているときも、常にセルバンテスの想いや存在が
見え隠れしていて、舞台を通して何を言わんとしているのかブレないんですよね。


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そして念願のサンチョ職人のイフンジンさん。
コロンとしたその体格だけでもう私は満足よ(笑)
絶妙の合いの手と愛嬌。
無邪気な子供かおバカさんかと思いきや、誰よりも純粋で懐の深いサンチョ。
年齢不詳の妖精さん
前回観たホヨンサンチュもかわいかったけど、
フンジンサンチョの可愛さはちょっと違うんだよね。
「ただ、ご主人様が好きだから」のセリフが可愛くてかつ深いこと!癒されます。


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牢名主と宿主は大好きな役で、私のベストオブ牢名主は
今、「ジバゴ」でコマロフスキーを演ってるソ・ヨンジュさんなんですよね。
冷酷な牢名主と人の良い恐妻家の宿主のギャップバランスがすごく良かったんです。

ムンジョンウォンさんは、2010年の軍主催のミュージカル「生命の航海」だから
結構ファン歴長いです。
主演のチュジフン(とイジュンギ)が目当てだったのに、
ジフニよりも・・・あにゃ・・同じくらい(笑)心を持っていかれたのでした。

でも、「ゾロ」を観た時、「ちょっとコミカルなのは苦手?」
と思ってたので心配してたんですが、それはいらぬ心配でした。
まぁ、最近は「同顔セクシークラブ」の団員として(苦笑)
コミカルコンサートもこなしていますから、ね。←すごく好き。

ソ・ヨンジュさんとはまた違った男臭さとコミカルさのバランス。
長い髪を後ろ縛りにしていたヨンジュ宿主は、かわいかっこよかったのに、
薄毛で赤っ鼻の宿主・・・ちょっとビジュアル的に悲しかったㅠㅠ

それに牢名主は歌い上げる歌が無いのでちょっと残念。
かの低音本当に素敵なのに。
でも、威厳ある牢名主と人のいい宿主のギャップ演技がツボだからね。
ドンキホーテに振り回される宿主が可愛いったら!好き。



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意外だったのは、アルドンサを演じたチェ・スジンさん。
本当はゴンジュさんで、観たかったので期待してなかったんだけど(ごめん)
まっすぐで気丈なアルドンサ。
心を閉ざしているけど、自分の運命に必死に抵抗している。
その姿が痛々しくも、どこか共感を持てるアルドンサでした。

地下牢で顔も上げずうずくまっていた囚人としての彼女。
セルバンテスが劇中劇の役を決めるときに、
敢えて顔も上げない彼女をなぜ選んだのか。

今まで、地下牢の彼女とアルドンサをちゃんと重ねて観たことはなかったのだけど、
そうだよね。同一人物である理由。あるよね。

今回の演出がそうなのか、今回の私の気持ちがそこに向いたからなのか、
彼女に限らず、セルバンテスも地下牢の囚人たち皆が、
劇中劇の役よりも地下牢の人々の感情が良く表現されていたような気がする。
そして劇中劇と地下牢の2つの世界で
サンチョだけが変わらないというのが面白いよね。

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これが私の進むべき道、ああ希望すらなく はるか遠くても、
立ち止まらず 振り返らず 
ただ私に与えられたこの道をいこう

この舞台の代表曲「見果てぬ夢」は、1幕のラストで初めて歌われるんだけど、
実はここで歌い上げる「見果てぬ夢」はそんなに好きじゃなかったりする。
この歌は、舞台が進むごとになんども歌われるんだけど、
後半に向かうにつれ、その歌の持つ意味が深まってきて胸を打つのです。
そしてラストに、地下牢の彼女が裁判に連れていかれるセルバンテスたちにむかって歌う彼女の「見果てぬ夢」は、たまらなく心に響いたのでした。

絶望に心を閉ざしていた彼女がセルバンテスに歌うそれは、
絶望に堕ちたまま死路を逝こうとするアロンソ=キハーナに「ドンキホーテの夢」を思い出させるために歌ったそれと同化し、
人々に希望の光を残したセルバンテスにそのまま返ってくる。

泣くね。泣くよね。それ。
彼が彼女にアルドンサを演じさせた想いがまんまと彼女に響いて、
アルドンサと同じように、自分に希望を語りかける。
演出家として、演者として、それ以上の感動はないよね。

いや、そこはいつだって泣くんだけど、その前からずっと泣いているんだけど、
一言も発していなかった彼女の絞り出すように歌うその歌を聞いた時、
初めて物語の最初から最後までがびっと繋がって、物語の時代背景やら、
彼らの置かれた状況や気持ちなんかが一気に胸に飛び込んで、
私はセルバンテスの気持ちと同化したような気がしたのです。
思ってもみないボディブロー。嗚咽してしまったのでした。

好き。やっぱりこの作品好きだ!!作品そのものが好きなんだよな。私は。
舞台の登場人物の一人一人の心に灯った希望の光が、自分にも灯り、
背中を押してくれるような充足感。

今回の渡韓のラストにこの作品を持ってきた自分を褒めつつも、
もう一度見たい!と思っても見れないじゃん!と責めちゃう。
でも、これはまたすぐやってくれるよね。だって韓国の人も大好きだもん。
なので、また再演待つことにします。
多分その時は、またスンウ先輩が帰ってくるはず。
これからもなんども通うだろうな。じっくり何度も観たい作品です。