ファントム〜もうひとつのオペラ座の怪人
ファントム〜もうひとつのオペラ座の怪人
2019,11,21 13:30~
ファントム(エリック):城田優
クリスティーヌ・ダーエ:木下晴香
フィリップ・シャンドン伯爵:廣瀬友祐
少年エリック:大河原爽介
久しぶりに観ました。ファントム。
何年ぶりなんだろう?前回観た「ファントム」が私のしろたんデビューでした。
それと比べると、しろたんの成長ぶりが眩しかったです。
年月とともに深まった演技と歌は、エリックという青年の今だけでなく、
彼の過去や置かれた環境、どうやってそだったのかまで、手に取るようにわかるように思えました。
最初は「え?ちょっと幼すぎない?」「なんでそんなにおどおど話すの?」って思ったりしたんだけど、
身体は大きいのにちっちゃく見える「エリック」は、闇の中でひとりで生きてきた彼の人生を思うと、そうならざる得なかったんだって、ストンと入ってきて。
大好きだった韓国版の「Phantom」のウンテさんのエリックとは随分違うけれど、これはこれでアリだなって思えたのでした。
猫背でモソモソ話すエリックは好みじゃないけれど、なんだかとっても共感してしまう、親しみやすい等身大のエリック。
深く傷ついているのに、最後は笑って許しちゃうあたりが、とっても日本人っぽくて笑っちゃう。
こんな救われない人生あり得ないのに、その中でも一瞬のきらめきに幸せを感じて、「案外よかった」って言う彼のセリフが、あまりにも悲しくて、でも泣くほど共感できてしまったり。
どん底の中で生きてきたくせに、いい人すぎるよ。しろたんエリック。
もうね、号泣でした。大号泣。
途中で泣き叫びたい衝動に駆られて、必死に口を押さえてた笑←叫んでませんよ。
演出の方でも泣かされました。
初めて人と接して、音楽の中でひとつになる幸せを知ったエリックが、
自分が決して出ていけない「鏡の向こうの世界」で、知らない男とキスするクリスティーヌを、鏡の向こうからぼうぜんと見つめるエリック。
鏡の表側と裏側を逆転させるときに見えるセットの断面が、エリックとクリスティーヌを隔絶する境界線に見えて、すごいショックでした。
さっきまでひとつだと思っていたのが、いきなり予期せずその関係を断ち切られたように思えて、そこで涙腺崩壊。
それから先はもう、胸が痛くて痛くて。
クリスティーヌは、無邪気で屈託のない女の子で、多分誰からも好かれるんだろうな〜って感じだから、憎めない。
エリックの仮面を外させるところも、彼への愛を語る彼女は、嫌味もなく彼の母のような愛を感じたけれど、そこまで言っておいて、逃げるなんて・・・と思いつつも、
彼女は母ではないんだからしょうがないよね。頑張ったよね。って許しちゃえるいい人クリスティーヌだったのですよね。
私史上もっともいい人クリスティーヌでした。
カルロッタは本当に嫌な女なんだけど、それでもどこか憎めないキャラだし、
悪い人なんて誰もいないってところにしろたんの愛を感じます。
今回、私が1番気に入っているところは、ラストの場面。
クリスティーヌが息絶えようとするエリックを抱えて歌を歌うのだけど、
クリスティーヌの歌声と温もりが、一瞬でもエリックに伝わったというところなんですよね。
彼女の愛が彼に伝わることに救いを感じたのでした。
(確か韓国版も前回も、確か息絶えた後で、彼女の愛を知らないまま死んでしまったことが救いがなくて悲しかったんですよね〜。←記憶が定かでないけど)
まあ、とにかく、自分でも驚くほど涙腺崩壊でした。
今回2階席なのに、オペラグラス忘れて、「あ〜〜〜〜!!!」ってなったけど、
もう涙で舞台が見えない事態が起きて、こんなの初めて。
マスクはぐしょぐしょになって、とちゅうから 使い物にならなくなったし、
「私疲れてるのかな・・・?」←そこ?
舞台を観て泣くのは私のストレス発散方法なので、ちょっとすっきりしたかな笑
P.S
帰りは韓国版の「Phantom」OSTをずっと聴いてしまったのだけど、
2回しか見れなかった割には、結構いろんな場面を覚えていて、
しろたんにはもう少しお金使わせてあげたかったな〜って思ってしまった。
限りある資金の中で、できるだけお客さんを楽しませたいって、観客の目線でいろんな工夫をしてくれたのは本当に嬉しかった。
演出面でも、やりくりいっぱい感じたけれど、シャンデリア・・・ないし、
他にもいろいろ、これ削ったのかな〜っていうものあったので・・・。
もちろんセットをよくすることが良作を作るわけじゃないけどね。
よかったからこそ、の感想。